相続時精算課税制度|2024年の改正内容やデメリットについて
多くの財産を贈与する場合は、贈与税がかかります。
相続時精算課税制度を選択すれば2,500万円まで贈与税はかかりませんが、死後相続税に足し戻されるので、相続税として支払いの義務が生じます。
2024年に相続時精算課税制度が改正されました。
今回は、改正点と相続時精算課税制度のデメリットについて解説しましょう。
相続時精算課税制度2024年の改正点とは
相続時積算課税制度とは、生前贈与するときに特別控除に当たる2,500万円までは非課税になる制度です。
その後、贈与した人が亡くなったときに贈与した財産を相続財産に足し戻し、相続税を計算して支払う仕組みです。
累進課税性の相続税は1,000万円以下が10%で金額により段階的に%が上がっていき、最高は6億円超の場合で55%です。
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | - |
1,000万円超から3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超から5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超から1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超から2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超から3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超から6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
相続税の速算表 参考:国税庁
2024年に制度が改正され、特別控除とは別に年110万円までの基礎控除が追加されました。
年110万円までの贈与なら、贈与税もかからず相続税の足し戻しも不要です。
相続時積算課税制度が適用される対象者は、60歳以上が18歳以上に対して財産を贈与した場合に選択できます。
相続時精算課税制度のデメリット
相続時精算課税制度にはデメリットが4点あります。
- 申告の手続きが必要
- 小規模宅地等特例が利用不可
- 節税効果が限定的である
- 暦年課税制度には戻せない
上記、4項目について詳しくみていきましょう。
申告の手続きが必要
相続時精算課税制度を選択する際は、届出書や申告書を提出する必要があります。
贈与のたびに贈与税の申告をしなければなりません。
小規模宅地等特例が利用不可
小規模宅地等特例は、要件を満たした場合に相続税の評価額が8割減額される制度ですが、相続時積算課税制度を利用すると土地を贈与で手に入れたとみなされます。
土地を贈与した場合は、小規模宅地等特例の対象外となりますので、8割の減額は受けられません。
節税効果が限定的になる可能性がある。
110万円については基礎控除となるため節税効果があります。
しかしそれ以上の2,500万円までの贈与税の免除は贈与者の死後、相続税に加算されます。
そのため、高額の財産を受け継いだ場合の節税効果は限定的になる可能性があります。
暦年課税制度に戻せない
一度相続時精算課税制度を選択すると、暦年課税制度には戻せません。
相続時精算課税制度を選択する前に、本当に問題ないかしっかりと検討してから選択するようにしましょう。
まとめ
相続時精算課税制度は、2024年に制度が改正されました。
新たに110万円の基礎控除が追加され、2,500万円までの贈与税がかからない制度と合わせて2重の非課税制度です。
しかし相続時精算課税制度にはデメリットも多く、たとえば一度選択すると暦年課税制度に戻せないなど、選択が正しいか迷うことがあります。
制度について不安があれば、税のプロである税理士に相談しましょう。
当事務所が提供する基礎知識
- Basic Knowledge -
-
個人事業主から法人化...
個人事業主である程度利益が出てきた場合、法人化することによって様々なメリットがあります。 ■節税できる個人事業主から法人に切り替えた場合、所得税の節税、配偶者控除や扶養者控除、生命保険を活用した節税、役員社宅に […]

-
配偶者居住権は相続税...
配偶者が亡くなった後も、残された配偶者が自宅に住み続けられるようにするために「配偶者居住権」という制度があります。相続税の負担を抑えられる可能性があるとして注目されていますが、利用には注意すべき点もあります。今回は、配偶 […]

-
赤字決算になったら法...
会社を経営していて赤字になった場合、法人税は支払うべきか、疑問に思う方もいるかもしれません。赤字で利益が出ていなければ税金はかからないように感じますが、実際の税務の仕組みはもう少し複雑です。今回は、赤字決算になったときの […]

-
相続税の計算方法
■相続税の基礎控除相続税には基礎控除があります。基礎控除は、3000万円+600万円×相続人の人数で計算されます。相続財産の価額が基礎控除の額を下回る場合には相続税は0円となります。 ■相続税の計算方法 まずは […]

-
相続税の申告
■相続税の申告が必要な場合相続する財産の価額が3000万円+600万円×相続人の人数で計算される、相続税の基礎控除の額を超える場合には相続税の申告をする必要があります。相続税の額は、相続財産の価格に応じて変動します。&n […]

-
相続放棄しても税金が...
相続放棄をした場合には、「初めから相続人ではなかった」こととなり、負債も財産もどちらも相続しないことになります。そのため相続放棄をした場合には原則として税金を支払う必要はありません。 しかしながら相続放棄をした […]

よく検索されるキーワード
- Search Keyword -
事務所概要
- Office Overview -
| 名称 | 上田康晴税理士事務所 |
|---|---|
| 税理士 | 上田 康晴(うえだ やすはる) |
| 所在地 | 〒130-0005 東京都墨田区東駒形4-19-2-206 グリーンコーポ駒形 |
| 連絡先 | TEL:03-3625-7855 / FAX:03-3625-2709 |
| 対応時間 | 平日 9:00~17:00(事前予約で時間外も対応可能) |
| 定休日 | 土・日・祝日(事前予約で休日も対応可能) |